子宮筋腫とは
子宮は内側から、粘膜ー筋肉ー漿膜で構成されています。
粘膜は子宮体部では子宮内膜と呼ばれ、受精卵が着床する場所(胎児のベッド)です。
妊娠しなければ、毎月はげ落ちて子宮外へ出ていきます。
これが生理(月経)です。
女性ホルモンにはエストラジオールとプロゲステロンの二つがあり、
エストラジオールの影響を受けて、筋肉細胞が増加・腫大する病気が筋腫です。
原因は、筋肉細胞のエストラジオールに対する感受性が強いか、エストラジオールの量が過剰か、またはその両方か、です。
筋肉の増大の仕方は、子宮全体が大きくなる場合、局所的に増大する場合など様々です。
厳密に診断すると、30代女性の3人に1人は筋腫があります。
いずれにしても、体内のエストラジオールが原因ですから
閉経(卵巣内の卵からエストラジオールの分泌がなくなる)すれば、
筋腫は自然に縮小します。
小さなものは、放置してもよい場合が多いです。
不妊の原因ともいわれ、確かに妊娠の妨げにもなりますが、筋腫があっても妊娠報告はあります。
大きくなった場合は、妊娠を希望するかどうかで対応が異なります。
妊娠を希望されないなら、手術(子宮摘出)することも選択肢の一つです。
★今後妊娠を希望される場合
筋腫ができた場所により対策も異なります。
①内膜(粘膜)に筋腫がある場合
妊娠を望まれるなら、前向きな気持ちで手術をお勧めします。
内膜に筋腫がある場合、
受精卵の着床の妨げになる場合が多く、手術を受けたほうが妊娠する確率が上がると言われている。
②筋肉、漿膜などに筋腫がある場合
可能であれば、手術を控えてください。
漢方などで大きくなるのを押さえたり小さくできる場合もあります。
筋腫が大きくならなければ、手術をしなくてよいですし、妊娠する確率も下がりません。